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GREEN 〜秋空のスクリーン〜(Win95/98 Jellyfish)の評価及び感想

システムは選択肢型AVGでアニメーション有りのフルボイス。高校の映画部で映画制作を行いながら女のコと仲良くなる恋愛ゲームです。

注記:ここに書かれている感想は、2006年2月19日に公開していますが、2000年2月11日に執筆したものです。

ネタバレ無しの感想と紹介

第一印象は楽しい、そして面白いです。これといって大きなイベントもなく、ある程度平凡な日常を描くことでGREENの世界に生活感を漂わせつつ、 それでいて「映画の制作」というストーリー全体にわたって存在する大きなイベントを加えることで飽きやダルさを感じさせない作りが評価できます。 この手の平凡な日常を描く作品では良く使われる手段ですが、そのバランスが絶妙で見事だと思いました。もしかしたら近年では珍しいくらいのバランスの良さではないでしょうか。 もちろん、私がこういうタイプの作品ではなくて、Kanonとかのような非日常的な物語ばかりをやっていたというのあるかもしれませんが。

テキストのあっちこっちに映画関係のニヤリって感じな言葉が出てくるのも良いです。個人的には好きです。それもかなり。今までやったことがないけど「○○するのって楽しいのかも」って感じることができる作品。 もちろん大変なのは百も承知ですが、GREENをプレイしていて映画を作るのって楽しそうだなって思いました。

似たモノでは、写真撮影の「究極超人R」とか、クルマいじりの「逮捕しちゃうぞ」とか、同人誌の「こみっくパーティ」とか

ちなみに、極めることそのものがメインストーリーのものは含みません。これは残念ながら楽しさが感じられませんので。あくまで趣味レベルで素人っぽくて、 まだまだそれをやること自体が楽しい段階のものでなくては、まったくの素人を好きにさせることはできないと思います。その点で、GREENはいかにもアマチュアって感じで良いです。

最後までプレイしてみての感想ですが、どう表現したら良いんだろう。とっても良い気分っていうか、とっても清々しいっていうか。最初から最後まで基本的にはお約束な展開。 でも、GREENの世界の中での実世界にしろ撮影してる映画の中の世界にしろ、台詞が良い感じで感動できる。泣きゲーの重々しい雰囲気は全然ないんだけど思わずほろりときてしまう。

そしてゲーム終了後は萌えゲーらしく、泣きゲーにあるヘビーなモノは皆無だけど、かといってあっさりして物足りない感じじゃなくて、単純にとってもよかった〜って思えるもの。 登場するキャラやこのゲームの世界そのものがとってもリアリティのあるものなので、最後まで感情移入ができてそれが良かったのだと思います。

恋愛ゲームでよくあるのが、途中までは主人公に感情移入できていて、○○萌え〜なんだけど、最後のハッピーエンドのシーンだけなぜか「主人公君、幸せになってよかったね」と1歩引いてしまう感覚。 GREENにはこれが無いんですよ。最後までプレイヤーもハッピー。AVGなのに擬似的に高校生活を堪能した感覚です。

最後に、真琴ちゃんはとても良い娘だ〜〜〜っ!

「うぐぅ」「はえぇ〜」「あうぅ〜」の時代も終わりを告げ、これからは「にゃはは」と「なのだ〜」の時代ですな。

ネタバレありの個人的感想

良い作品というのはプロローグもよくできてます。いきなり作品に引き寄せる「つかみ」ってやつですかね。例えばKanonなんかも最初の名雪との再開のシーン。 これでいきなりKanonの世界の虜にされるっていうか。駄作とそうでないのとは、ここでいきなり違いが出てくる気がします。 その点、このGREENはバッチリ。真琴の過去形なナレーションでいきなりワクワクさせてくれました。

基本的に映画作りをメインに話が進んでいくのですが、プレイヤーにも映画作りの一部をやらせてくれるのが良いなと思いました。 イメージボードの作成やBGMの選択などなど、これらのおかげで、なんとなく自分(プレイヤー)も制作に参加してる感覚になりますね。

また、中田部長の存在は大きい。ある程度知識があって、しかも映画作りを楽しんでる人に引っ張ってもらうことによって、プレイヤーが「映画作りって楽しいのね」と感じさせることに成功してます。 ゲームのメインである映画作りが楽しければ必然的にゲームそのものが楽しくなるわけで。

それから、おまけシナリオが良いですね。メインシナリオでも想像はできますが、もやもやしてた部分がすべて解消されます。

シナリオ的には半ば強引に映画の主演にした真琴といっしょに映画を撮っていくうちにラブラブになっていく単純なものですが、各所にあるイベントが良い感じで飽きさせません。 ラスト近くで、真琴と財前が会ってたところや、真琴が映画を撮るのを止めようと言い出したとき、さらには、映画の上映時間が鈴木みあのライブと重なってることを知ったときや、 部員がだれもいなくなったときは、すでにかなり感情移入できていて、主人公といっしょの気分になれて、かなり良かったとともに、どん底に突き落とされた気分になりました・・・かなり凹み。

そこからの完全復活と映画の完成、最後の奇跡と流れがよく最高のクライマックスだったと感じます。

また、劇中の映画そのものもまたすばらしいデキで、とくに真琴の演技がすごい。ゲーム中の実世界でも泣きましたが、それ以上に映画の内容で泣けました。

真琴役の声優はレベルが高かったですね。ゲーム内の実世界の真琴、映画内の演技のヘタな真琴、そしてどんどんうまくなっていって、最後にはものすごい名演の真琴のすべてを見事にこなしてました。

ラストはハッピーエンドですが、他にあまり例を見ないような、ものすごく気持ちの良いハッピーエンド。とくに最後の真琴と主人公のラブラブハートなシーンが締めくくりとしてものすごくマッチしてました。 それ以上に見せ付けられてる周りの連中の反応が最高でしたが。

あと、「真琴と主人公の恋愛感情の変化をもっと描いた方が良い」って意見を見たことがありますが、私はこれくらいの方が自然だと思います。 相手の気持ちの変化が手に取るようにわかる(例えばこみパとか)のも、それはそれで楽しめますけど、たまにはこんな自然なものも良いのではないでしょうか。 好みの問題かもしれませんが、私はどっちも好きです。

おまけシナリオは本編ではプレイヤーの想像の域を出ていない部分を主人公とは別視点という形を使って補完してるのですが、とっても良いデキですね。 とくに、主人公の映画の上映と鈴木みあのライブが重なったことを知った真琴が、その事実を隠して、主人公がショックを受ける前に罪をすべて自分がかぶってまで撮影を中止させようとするところなんかは感動の嵐。 そして、本山。キミはやっぱ良いやつです。

本編とおまけがキレイにかみ合ってるので、本編の細かい部分を忘れる前に続けてプレイして良かったです。

個人的にこのGREENはかなり気に入りました。今流行りの泣きゲーとはかなり違いますが、どうしようもなくさわやかな気分にさせてくれて、やってよかったなぁ〜と素直に思いましたね。 最後まで感情移入できていたので、ハッピーエンドを我が事のように素直に喜べた。理由は多分真琴のリアリティと存在感でしょう。他の作品と違って、 言葉使いや性格などを前面に出して、キャラの存在をアピールするってことは全然やってないのですが、なぜかとっても存在感が溢れてました。これがハッピーエンドに生きてきてるんだと思います。 とっても幸せだと言うことが思いっきり伝わってきましたので。

このGREEN、もしかしたら世間での評価はそれほどでもないかもしれませんが、私の中ではトップクラスの作品。

そして、エンディングテーマ。とっても作品とマッチしてて良いですね。これ。

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公開日:2006年2月19日 最終更新日:2006年2月19日